グルメ取材をするとき、店のコンセプトや特徴よりも、料理の味よりも、
調理法よりも、その他諸々のこだわりよりも、何よりも興味を引くのは、「人」。
その人がこれまでどんな人生を歩み、どんなことを考えているのか。
店や料理はその人のほんの一部分にすぎない。
取材相手がもともと纏っている“熱”や“温かさ”を取材という行為で引き出し、
紡いでいくのが私の役割であり、仕事なのだ。
だから、私は自らを「取材屋」と名乗っている。
美味しい料理の出発点がこだわり食材の仕入れにあるように、
人の心を打つ記事の出発点は情報を仕入れる取材にある。